仕事の紹介
AIが学べるB型事業所とは|寝屋川市で実際にやっている作業
「AIが学べます」と書いてある就労継続支援B型事業所が、この1〜2年で増えました。
うちもそう書いている側です。だったら中身を出す責任があります。以下、実際にやっていることを作業名で並べます。
先に断っておくと、プログラミングを覚えてAIを開発する、という話ではありません。
先に結論
- やっているのは「AIに指示を出して、出てきたものを直す」作業です
- 覚えるのは操作ではなく、頼み方と、出てきたものの見極め方です
- チラシの下絵、文章の下書き、動画のテロップ案などで、毎日使っています
- AIに正解を教える側の作業(AIアノテーション)もあります
- 「AIに仕事を奪われるのでは」という問いにも答えます。結論を先に言うと、増えているのは確かめる側の仕事です
実際にどう使っているか
その日の作業を、そのまま並べます。
チラシやバナーを作るとき
いきなり完成形を作ろうとすると手が止まります。そこで、まず画像生成のAIに「こういう雰囲気の背景」を何パターンか出させます。
出てきたものはそのままでは使えません。文字が入る場所がなかったり、雰囲気がちぐはぐだったりします。そこから選んで、切って、文字を載せていくのが人の作業です。
まず何パターンか出させて、そこから選ぶ。このやり方を覚えると、白紙から始めるより早いですし、途中で手が止まりにくくなります。デザインの経験がない方でも、選ぶことはできるからです。
文章を書くとき、直すとき
お知らせの文、商品の説明文、ホームページに載せる文章。下書きをAIに出させて、それを直していきます。
ここで身につくのが「出てきた文章のどこが変か」を見抜く力です。AIの書く文章は、それらしく見えて中身がないことがよくあります。事実と違うことを平然と書くこともあります。
だから、そこに気づいて直せる人が必要になります。うちの作業でも、書く時間より確かめる時間のほうが長くなりました。
動画を編集するとき
テロップの案を出させたり、話している内容を文字に起こしたりします。文字起こしは以前は何時間もかかった作業ですが、いまは下書きが数分で出ます。
ただし固有名詞は間違えます。「アズプレイス」が「明日プレイス」になっていたりします。聞きながら直していく作業は残ります。
AIに正解を教える作業
逆向きの作業もあります。AIアノテーションです。
画像の中の対象を四角で囲む、文章に分類の印を付ける。それをAIに学習させます。AIに正解を教える側にまわる作業です。
AIがどうやって物を覚えているのかが、手を動かしていると分かってきます。そのうえで使う側に回ると、なぜAIが間違えるのかが腑に落ちます。詳しくはAIアノテーションとは何かに書きました。
覚えるのは「操作」ではありません
ここが誤解されやすいところです。
AIのツールの操作自体は、覚えることがほとんどありません。文字を打つ欄があって、そこにお願いを書く。それだけです。半日あれば誰でも触れるようになります。
難しいのはそこではなく、次の2つです。
1つめ:頼み方
「いい感じのチラシを作って」では、いい感じのものは出てきません。誰に向けて、何を伝えたくて、どんな雰囲気で、どのサイズで。伝えることを整理してから渡します。これは、人に仕事を頼むときとまったく同じです。
2つめ:見極め方
出てきたものが使えるかどうかを判断します。ここが分かるようになると、仕事の幅が一気に広がります。
逆に、判断がつかないまま出してしまうと、間違ったものがそのまま外に出てしまいます。だから最初のうちは、職員が一緒に確認します。
この2つは、AIのツールが新しいものに入れ替わっても残ります。だから、うちはここを訓練の中心にしています。
AIに仕事を奪われるのではないですか
まっすぐ聞かれることがあるので、まっすぐ答えます。
たしかに、単純作業の一部はAIに置き換わります。文字起こしはその代表です。以前なら何時間分もの作業になっていたものが、いまは数分で下書きが出ます。
ただ、AIが代わってくれるのは「音声を文字にする」ところまでです。固有名詞を直す。読みやすく整える。間違いがないか確かめる。この先は人が残ってやっています。
むしろ、下書きが速く出るようになったぶん、確かめる作業は増えました。
うちが訓練の中心に置いているのは、この残った側です。
作業をこなす速さで競うなら、機械には勝てません。そうではなく、機械に何をさせるかを決めて、出てきたものを判断する側に立つ。ここを訓練できる場所を作ることが、いまB型事業所ができるいちばん現実的なことだと思っています。
うちで実際に作ったもの
ひとつめは、MOJIO(もじお)というアプリです。話した言葉を、その場で文字にして画面に出します。うちには耳の聞こえにくいスタッフがいて、会議や朝礼で困っていたので作りました。ブラウザで動く形にしてあり、事業所の中で毎日使っています。
ふたつめは、InstaAutoPost(インスタオートポスト)というツールです。InstagramとTikTokへの投稿を、自動でやってくれます。テーマを入れると、文章を作り、画像を作り、投稿の予約まで済ませます。曜日ごとに投稿のジャンルを決めておくと、ネタが減ったときに自動で足してくれます。
中で動かすAIは、OpenAI・Gemini・Claudeから選べるようにしてあります。動画はRunwayとGoogle Veoを使います。名前だけ聞いても分かりづらいと思うので、見学のときに実際に動かしてお見せします。
このInstaAutoPostは、代表ではなくスタッフが作りました。「代表が作れる」ではなく「スタッフが作れる」。これは、通ってくださる方に教えられる人が事業所の中にいる、ということでもあります。
それから、これは実感として書いておきたいのですが、AIを道具として使えるようになると、経験年数の差が縮まります。このInstaAutoPostを作ったスタッフも、もともと開発の経験があったわけではありません。
これは、これから始める人に有利な変化です。
いま読んでいただいているこのホームページも、アズプレイスで作っています。詳しくはホームページ制作の仕事に書きました。
この作業で効いてくること、しんどいこと
この作業で効いてくること
- 「もっとこうしたい」を言葉にすること。それがそのまま、AIへの指示になります
- 出てきたものの違和感に気づくこと。細かい違いが気になる方には、それが役に立つ場面です
- 何度もやり直すこと。一発で決まることは、まずありません
どれも、最初からできている必要はありません。やっているうちに身についていく順番で進めます。
しんどいこと
思い通りにならない時間が長いです。5回頼んで5回とも違うものが出てくる、ということが普通にあります。
そこで「自分にはできない」と受け取ってしまうと、しんどくなります。うまくいかないのは、たいてい頼み方の問題です。そこを一緒に整理するのが支援員の仕事だと思っています。
あとは、画面を見ている時間が長くなります。目や肩に来ます。うちでは途中で梱包などの作業に切り替えられるようにしています。
就職につながりますか
「AIが使えます」だけで採用される段階には、まだなっていません。求人票にそう書いてある会社が、まだ少ないからです。ここを盛って書く事業所もありますが、うちは盛りません。
ただ、この訓練で身につくものは、そのまま他の仕事で効きます。
- 頼まれたことを、要素に分けて整理する
- 出てきたものを、決めた基準で確認する
- やり直しを前提に段取りを組む
AIの話を抜きにしても残るのは、この3つのほうだと思っています。
そして、これから求人票に「AIが使えること」が書かれ始めたときに、すでに触っていることは効きます。
よくある質問
パソコンを触ったことがなくても大丈夫ですか
大丈夫です。文字入力から始めた方がいます。AIのツールは、文字を打つ欄にお願いを書くだけなので、実は入口としては優しいほうです。
プログラミングを覚える必要がありますか
ありません。うちで使っているツールは、どれも文字を打つか、ボタンを押すかです。興味がある方には触っていただいていますが、必須ではありません。
難しい英語が出てきませんか
日本語で使えるものを選んでいます。英語のツールを使う場合も、日本語で指示できます。
AIが間違ったことを言ったら、どう判断するのですか
そこが訓練の中心です。最初は職員が一緒に確認します。「この数字はどこから来たのか」「元の資料に本当に書いてあるか」を、順番に確かめる手順を決めています。
在宅で作業できますか
B型は通所が原則です。2026年7月から、その整理が明確になりました。在宅での利用は例外的な扱いで、市の判断が要ります。まずは通っていただく前提でご相談ください。
家でも使えますか
無料で使えるものが多いので、興味を持たれた方はご自宅でも触っておられます。ただ、無料版でどこまでできるかは変わりやすいので、見学のときに今の状況をお伝えします。
見学のときに触れますか
触れます。1回お願いを出して、結果が返ってくるところまでなら10分ほどです。向き不向きは、だいたいそれで分かります。
見学のご案内
説明を読むより、1回触っていただくほうが早いです。見学のときに、実際に使っている画面をそのままお見せします。
電話:072-838-6555(平日 9:00〜17:00)
電話が苦手な方はお問い合わせフォームからどうぞ。
受給者証がなくても見学できます。見学と体験の流れもあわせてご覧ください。
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